溺愛レンズ
好き…?私を…!?
それはあまりに突然の出来事で、そして創造もしていなかった事。
だけれどそれと同時にさきほどのアキラちゃんの言葉が頭をよぎった。
『毎年これでカップルがたくさん誕生するんだよ』確かにそう言っていた。
でもだからって、まさか自分がその当事者的立場になるとは思っても見なくて……
というよりも、まさか告白をされるなんて……
ドキドキと胸が音を上げた。
だけどそれは恋とか愛とかそういった類のものではなくて……そういう事自体まだ私にはよく分からなくて…
「あの…ごめんなさい」
彼の気持ちがうれしかった。
真剣な眼差しで、優しい口調で気持ちを伝えてくれて。
でも、だけど……まだ私は誰かを想うという気持ちを知らない。
そう思うと、真剣に気持ちを伝えてくれた彼に答える事は出来なかった。