溺愛レンズ


「あ!レイいたいたー」



さっき起きた現実に少し頭がぼーっとしながら元いた所へ歩いていると、手を振っているアキラちゃんが目に入る。



いつのまにかクラスメイト数人と合流していたようでその中には佐伯の姿もある。アキラちゃんの隣に行くとそっと耳打ちするように私へと顔を寄せた。



「で?告白だった?」


「うん…」


「やっぱりそっかぁ、そうだと思った。山瀬君良くレイの事見てたもん」


「え?そうなの?」


「そうだよ、私は何となく気づいてたんだから。で、何て答えたの?」


「何って…それは、お断りしたよ…」


「えー!もったいない」


何処か驚いたように目を見開いたアキラちゃんは、思わず大きな声で私に聞き返してくる。
周りのみんなも何ごとかと一瞬こちらを見るほどだ。



「山瀬君めっちゃ人気なのに!サッカー部でもカッコイイって評判だよ」



そうだったんだ、サッカー部なのは知ってたけどそんな人気な人だったなんて。
そもそも何で人気な人が私なんか…



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