好きだと言って。[短篇]
「…無しだからな。こういうビックリ。」
「ビックリって…こっちは本気だ…んっ」
て、哲平…
絶対キス魔だ…。
合わさる唇に、
それ以上口が開けない。
「こ、この、キス魔!!」
「心臓、もたねぇから。」
「…ん。」
冷たい瞳が怖くて、
愛のないキスが怖くて
それでも貴方が大好きで。
「ねぇ、キス…頂戴?」
でも今は、
この冷たい唇が、
この冷たい瞳が
「…キス魔はどっちだよ」
「哲平。」
「じゃねぇだろ、絶対。」
ふっと笑いながら
落としてくれるそのキスが
【大好き】って言ってくれてるみたいで
「後は帰ってから。」
「…っ//」
もう二度と、
この手を離したくないって思ったんだ。
「…俺と付き合ってよ。」
初めてされた告白は
ベッドの中で。
「…うん。」
初めて返事をしたのは、
彼の腕の中で…。
END