ここにあるもの。
窓の向こう
窓の向こうを眺める君の横顔が
鮮明に私の記憶を支配する
揺れ動くカーテンは
その瞳に映しているのか
きっと、君しか、わからないこと
君の名を呼ぼうと、開いた口は
何も発してはくれなくて
けれど君はゆっくりと振り向いた
その瞳は私を見ているのに
見ているはずなのに
君のその瞳に私はいない
私を見てと
君の名を呼ぼうと、開いた口は
何も発してはくれなくて
ひどく優しく微笑む君は
私の名を口にする
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