protect you〜守るべきもの〜
「...は?おい、開かねぇんだけど!!?」
慌ててノブを回すが、何かで押さえられているかのように固くて動かない。
どうなってんだよ...!
「向こうから押さえてもらってるから、開けようとしても無駄だと思うよ」
「はあぁ!!?っざけんなよ!!
開けろ!!」
「ヤだねー」
ベーッと舌を出して、榊が俺を挑発してくる。
コイツ……!!
「泉里くんについて教えてくれたら、開けてあげるよ」
「アイツのことは忘れたっつってるだろ!!」
そう...忘れたんだ。
泉里のことも。
あのときのことも。
全部、全部……忘れた。
「はぁ...歩って、変なところで無駄に頑固だよね~」
呆れたようにため息をついた榊が、クスッと笑った。
「……諒真さーん、出番だよ」