protect you〜守るべきもの〜
やっと行ったか……
ふぅ、と息をついて、椅子に座る。
あぁいう奴は、ハッキリ言って苦手だ。
無駄に明るくて、馴れ馴れしくて、踏み込もうとしてくる。
人の気持ちなんか考えずに。
俺は、誰とも関わりたくない。
友達なんてもってのほか。
一人で自由気ままに生きていく方が俺の性分に合ってる。
だからまぁ、ああいう部類の人間っていうのは苦手というか嫌いというか。
近づかないで欲しい。
「あ、そう言えばさ!」
……近づかないで欲しいと言った直後、無遠慮にまた歩いてくる榊真浩。
「学校で暴れるのはやめたほうがいいよ?」
「…何でお前にそんなこと言われなきゃいけないんだよ」
「……やめる気はないってこと?」
「売られた喧嘩は買うのが当たり前だろ」
…って言ってもまぁ、喧嘩に縁の無さそうな仔犬には分からないか。
もし俺を心配してるなら、それは無駄な心配。
この学校で俺に勝てる奴はいないから。
だから、喧嘩をやめる必要もない。