protect you〜守るべきもの〜

「……警告したから」


「は？」



榊真浩の言葉に顔を上げると、そいつは無言で俺を見つめていた。


その視線に、何故か背筋がゾクリとする。



「僕は警告したよ。でも、やめないって言ったのは栗原君だから」


「はぁ…？何言ってんだ、お前」



意味の分からない言葉に苛立ちながら尋ねると、榊真浩はさっきまでの笑顔をまた浮かべた。



「いつか分かるよ」



それだけを言い、榊真浩は去っていく。



何なんだ…？


警告したとか何とか…


意味わかんねぇ。


喧嘩の世界を知らない奴に、口出しされたくねぇんだけど。



「……イラつく」



そう呟き、俺は机に顔を突っ伏した。