protect you〜守るべきもの〜






───見えるのは、赤。


黒みを帯びた、不気味な赤。



喧嘩をしたときに流れるやつに似ている。



あれは……血か?




「──…あ''あ''ああああっっっ!!!!!」




気付けば、喉が割れるくらいに叫んでいた。


力が抜けて地面に尻をつく。



何で。

何で。


何でだよっっ……!!!



違う、これは現実じゃねぇ。


俺が見てる、ただの悪い夢だ。


アイツが...泉里が死ぬなんて、ありえねぇ。



「ありえねぇんだよっ...!!」



俺の脳裏でフラッシュバックする、赤、赤、赤の景色。


赤い華が咲く、その中心にいたのは……



「泉里ぃっ……!!!」



誰か……

嘘だって、言ってくれよ。


だってこんなのありえねぇよ!!






何で……こんなことになったんだよ。





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