protect you〜守るべきもの〜
その意味を理解したのは1秒ほど後。
いきなり榊が舌打ちをして俺を睨んできた。
「さっきから黙って聞いてれば、病んだことばっか言いやがって。いい加減にしろよ。俺はお前のストレス発散道具じゃねぇんだぞ?」
……は。
誰、コイツ。
榊...じゃ、ねぇよな?
いや、でも、見かけは榊だ。
どっから出てきたんだこの人格...。
唖然としている俺に並んで、銀髪が苦笑いした。
「あ〜、歩には言ってなかったけどよ。
真浩は二重人格……なんだ」
「はっ……?」
二重、人格...?
それって、人格が2つあるっていうアレか?
「アレは一応 “真浩“ ではあるけどよ...。
倉庫で【睡蓮】の奴らと戦ってる時もあったろ?」
『可愛い』と言われて激怒し、睡蓮メンバーを瞬殺したあの出来事を思い出す。
「あぁ……アレか...」
「 “この“ 人格は、ヤベーくらい危険で、俺にも手ぇつけられないんだよ」
それをもっと早く言えよこの野郎。
キレさせるとそんな面倒くせぇ人格出てくるとか知らねーよ。
一人称も『僕』から『俺』になってるじゃねーか。
「まぁ、二重人格と言っても軽度だけど。
今の状態でも、本人の意思はあるし」
「ってことは……」
コイツ、本心言いやがってんのか。
となると、すっげぇイラつくんだけど。