protect you〜守るべきもの〜
「『2人で来た』から、200も用意したって言ってたろーが」
「…あぁ、そういえば言ってたね!
それってどういう意味なの?」
「さぁな。これから言う事は、あくまで俺の予想に過ぎねぇけど、多分...」
──『お前らみたいな “2人組“』
その言葉が意味するものはきっと……
「俺とお前で、協力しろっつーことだ」
「えぇぇ、協力ぅ?」
あからさまに嫌そうな顔を浮かべる真浩。
どうやら俺と協力するのは不満らしい。
「僕、喧嘩は一匹狼派なんだけど〜...」
「俺だってそうだ。
けどな、あの人数は少し無理があるだろ」
「まぁ、そうだよね。で、仮に僕らが協力したとして、勝算はあるの?」
「無くはない」
タブレットの画面を、倉庫の地図からとあるアプリに変える。
「これは確率計算アプリだ。
俺とお前が個人でやった場合と、協力した場合の2つの勝利確率を計算させるぞ」
まず個人の場合。
前もって予想しておいた数値を入力して計算させると、【0.00001%】と出た。
「あ、一応勝てる確率あるんだね」
「と言っても、日本に直下型大地震が来て、俺とお前以外の人間全員が瓦礫に埋もれる確率だけどな」
「...つまり不可能ってこと?」
「そうなるな」
次に、協力したときの場合。
これもまた数値を入力して計算させる。
数秒たった後、【1.03%】と出た。
タブレットの画面を真浩に向ける。
「……な?無くはないだろ」
「無くはないけど98.97%は負けるんだよね」
「まぁな」
「じゃあ無理じゃん...」
真浩がため息をついて机に突っ伏すのを横目で見ながら、俺は次の数値を入力した。
……ったく、俺がこんな低い勝算の勝負を受けるわけねーだろーが。
話は最後まで聞けっての。