protect you〜守るべきもの〜
「...そうだ、翠斗!
【睡蓮】に、赤髪と緑の髪の幹部が新しく入ったってよ!!」
───赤髪?
脳裏に、あの時の中学生の姿がちらつく。
まさか……、まさかな。
さすがにそんな偶然はありえねぇよな。
僅かに浮かんだ不安をかき消し、後ろを振り返る。
「そうか。情報さんきゅ、二階堂」
「おー。頑張れよ、【桜蘭】総長さん!」
くるりと前に向き直る。
赤く染まった空が、なんとなくアイツを思い出させた。
『───泉里っ!!』
赤髪の、幹部ねぇ……。
「……ふっ。まさか、な」
もう1度そう言った俺の横を、
少し冷たくなった秋の風が去っていった。
* ……To be continued ? *