protect you〜守るべきもの〜
「チッ、つまんねーな。真浩ならいつも相手してくれるのによ」
「嘘つけ。喧嘩っていう単語も知らないようなあの仔犬がアンタとやるわけないだろ」
つくならもっとマシな嘘をつけっての。
と、呆れた顔で銀髪を見ると。
「……お前、何言ってんの?」
向こうが、ぽかんとした顔で俺を見ていた。
は??
何だ、その顔。
「お前それ、マジで言ってんのか?」
真面目な顔をして聞き返してくる銀髪に、戸惑ってしまう。
「は…?意味分かんねぇんだけど」
「あぁそうか。まだ知らねぇのか……」
「知らねぇって……はぁ?」
この銀髪が何言ってんのか、理解不能。
首を傾げると、銀髪はニヤリと笑った。
「…一見可愛い仔犬も、本気を出せば狂犬なんだよ」
「はぁ?何言って……」
「諒真さんっ!!」
背後から叫び声が聞こえて、俺と銀髪が振り返る。