protect you〜守るべきもの〜
着ていた学ランの上着を脱いで、放り投げる。
シャツだけで喧嘩するのは、何ヶ月ぶりだろう。
前の学校のトップを潰したとき…以来か。
でも多分、この銀髪はそいつより強い。
楽しげな瞳の奥に、不気味なほどの狂気を感じるから。
「ハハハ、何かゾクゾクするな、こういうの。真浩、少し庭破壊するかもしんねーけどいいか?」
「修理代は諒真さんが負担してね」
「金なら問題ねぇ」
余所見をしてそう言った銀髪の懐目掛けて……下から蹴り上げる。
それは予想されていたらしく、いとも簡単に避けられるけど…
「余所見してんじゃねぇぞっ!!」
振り上げた足の勢いを使って、その胸に飛び膝蹴り。
ついでに蹴って、数m後ろに着地した。
銀髪は胸を押さえて少しよろめいた。
「いってぇ……。…だけど見えたぜ?お前の弱点」
「弱点…?」
「さっきから見てりゃ、身の軽さを活かした攻防が多い。その蹴りも、大したもんだ。
……けどな、その分重さがねぇんだよ!!」
言いながら、目にも止まらぬスピードで詰め寄ってきた銀髪。
あまりの速さに反応できないでいると……腹部に、鈍い痛みが走った。