protect you〜守るべきもの〜
「はぁ?おいマジかよ、これでギブ?
真浩ー、お前の見当違いじゃねーの?」
何ワケの分からないことを言ってんだ、この男。
「あれ?おっかしいなー」
「もうやめようぜ、こんなこと。下手したら死んじまう」
「うーん……そうだなぁ…」
榊は何かを考えながら俺に近づいてくる。
そして俺のそばにしゃがみこみ、土に汚れた俺の頬をつついた。
「ねぇ歩ー。本気出してよ」
「…うっせぇ……」
「僕が見たいのは、歩の本気なんだよ。
僕を掴み上げたときの歩の目、もう一度見せてよ」
榊を掴み上げたときの、俺の目……?
意味、分かんねぇし。
「あの時の歩の目……すごく良かったよ?
僕を本気で殺そうとしてた、あの目」
「……」
コイツも、変態か。
何でこう、狂った奴が多いんだよ。