protect you〜守るべきもの〜
「いやー、しかし驚いたぜ!まさかプールに誘い込んで頭突きとは!おかげでこの有様だ」
包帯を撫でながら、銀髪は言う。
その様子じゃ、相当痛かったんだろうな。
……ま、罪悪感なんてないけど。
コイツも散々俺を殴ったわけだし。
「庭のプールを使うだなんて、よく思いついたね、歩!」
ニコニコしながら言う榊。
そのわざとらしい笑顔を、フンと笑い飛ばした。
「しらばっくれてんじゃねぇよ、榊。お前が使うように仕向けたんだろ?」
「……どういう意味?」
「お前は最初から、俺が銀髪に力だけでは勝てないことは分かってたんだ。だから庭のプールを使わせることを思いついた。まさに背水の陣の状況で俺がどう出るか、見たかったんだろ?」
「…あは、バレてた?」
意外にもあっさりと認めたな、コイツ……
まぁいいけど。
「ところで榊……」
言いながら上半身を起こすと、俺はあることに気付いた。