protect you〜守るべきもの〜
「……そんなに…」
銀髪はドアについた手を握り締め、震える声で言った。
「そんなに俺らといるのが嫌だったんなら…何で、笑ってたんだよ……」
「笑…?」
コイツ……頭がおかしくなったのか?
笑った、だなんて。
「俺……笑ってなんかいねぇけど。夢でも見てたんじゃねーの?」
「歩…お前、笑ってたぞ?」
「……んなわけ、ねぇよ」
だって、俺は決めてるから。
アイツを殺すまで、絶対に笑わないって。
『──俺を楽しませてくれよ?』
嫌でも思い浮かぶあの憎い存在に、無意識に唇を噛み締めた。
「歩……何がお前をそうさせるんだよ。
何でお前は、そんなに……」
さらに問い詰めてくる銀髪に、苛立つ。
「しつこいんだよ。何?お前に話さなきゃならない理由でもあんの?」
「…っ、」
「他人に介入すんな。そういうの、マジうぜぇから」
苛立ちがおさまらない。
こんなに感情を露にしたのは、久しぶりかもしれない。
自分の感情が抑えられないなんて…俺が俺じゃないみたいだ。