protect you〜守るべきもの〜
いつも通りラフに学ランを着て、ヘッドホンを首にかけながら部屋を出た。
……そういや、そろそろ金欠だな。
欲しいゲームもあるし、言ってみるか。
と、方向転換して母親の部屋に向かう。
怒られんのはめんどいから、軽くノックして部屋に入る。
「…母さん、俺金欠だから………って」
部屋に足を踏み入れかけた俺が見たのは……
「ああああ歩っっ!!?」
パソコンに向かってなにやらやっている、母親の姿。
その画面には
【米国国防総省✱機密データ管理サイトにアクセスしています....】
……という文字が浮かんでいる。
「…何それ」
思わず言うと、ものすごい慌てぶりで画面を隠す母親。
「なっ、何でもない!!」
「いや何でもなくねぇだろ、どいて」
「ちょ、歩!!」
母親をグイッと押しのけて、もう一度画面を確認すると。
【Department of Defense ※top secret!!】
真っ黒な画面に、白い文字でそう表記されていた。