protect you〜守るべきもの〜
ガクリ、と、床に膝をつく哀れな母親。
「あぁ…マイスウィートパソコン……」
「これ以外に何台も持ってるだろ」
「この子は唯一無二の存在なの!!他には代えられないのよっ!!」
何意味不明なこと言ってんだか。
……そろそろデータの移動終わったか。
ハンマーを置き、自分のパソコンに向き直る。
【新データ100% コピー完了】
そんな文字が映し出されていた。
「おい、終わったから他のパソコンに移す。そこにあるやつでいいか?」
「もうどれでもいいわよ……」
「あそ」
ズラリと並ぶ新型のパソコンの中から1つを選び、接続する。
コピーのコピーだから多少質は悪いが、そこは勘弁してもらうとして。
「……じゃ、学校行ってくる」
「はぁ!?人のパソコン壊しておいて謝罪もナシなの!?」
「あぁでもしなきゃGPSで探知されて捕まってたんだけど」
「他にやり方ってものが……」
「壊しちまったもんは仕方ねぇだろ。そんじゃ」
自分のパソコンを鞄に入れ、俺を責めるかのような視線から逃げるように家を出た。