protect you〜守るべきもの〜

├ "あの人" は "怪物"





ヘッドホンから鳴り響く、好きな洋楽。


今度買おうと思っているゲームのオープニングでもあり、曲自体もいい。


これを聞いているときはすげー落ち着く。


だから、出来れば周りは静かな方がいい。



……のに。



何故か今日に限って、ザワザワと騒がしい教室。


ボリュームを上げるも、興奮して走り回るクラスメイトが机にぶつかってくるものだから落ち着かない。


あーー……うるせぇな。

これじゃあ落ち着いて聞けないじゃねぇか。


仕方ねぇ。


ため息をつき、ヘッドホンを外す。



「……おい、アイツだろ?栗原修也って」



不意に聞こえた、誰かの声。


栗原修也……俺のことか?


本名は歩だけど。



「あぁ…喧嘩は強いらしいけどな」

「だとしても、やばくねぇか?」



ヘッドホンをしていてよく聞こえなかった言葉が、ハッキリと聞こえる。


何だよ、ヒソヒソヒソヒソと。

気に食わねぇ。


奥で話している男子生徒たちを睨みつけると、「ひっ!」と言って目を逸らされた。


ビビりすぎだろ……



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