それだけが、たったひとつの願い
エピローグ
 四年前、その星は手を伸ばして届きそうだと思った。

 だけどそれは安直で、浅はかで身の程知らずだった。


 その星の光は強く、思っていたよりも遠い。

 だけど四年の月日が流れ、これからはその星の一番近くにいられる。

 やっと手が届いたのだ。


 もしも私が暗闇を呼び寄せたとしても……

 その星の強くて大きな光ならば、すべてかき消してくれるだろう。


 その星と、ずーっと一緒にいたい。


 それが私の今の『たったひとつの願い』だ。




――― fin ―――

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