みさき
「お母さんに連絡しなくちゃ!」
お姉ちゃんは思い出したように言うって、携帯を取り出し電話をかけ始めた。
「あ、あ母さん?受かったよ!」
お姉ちゃんがお母さんと話している最中、私はさっきの男の人がいないか
周りを見渡してみた。
が、その姿は見当たらなかった。
『どっか行っちゃったか。。。。』
「みさき。今日はお寿司だって!やったね!お姉ちゃんに感謝するんだぞ」
「わかってるって。」
「あれ?顔赤いけど大丈夫?風邪でもひいた?」
「だ、だ、大丈夫!!何でもない!!」
「そう?ならいいけど。じゃぁ帰ろっか」
「うん」
帰る途中もずっとさっきの男の人の事が頭から離れない。
お姉ちゃんとの会話も適当になっていた。
名前は何て言うんだろう?
近所なのかな?
来年はって言ってたから同じ学年なのかな?
同じ市内の学校だったらすれ違った事あるかも。
でも・・・・
『みさき』って呼んでた女性、彼女だよね・・・
私も同じ『みさき』なのに・・・
なんだろう・・・胸が苦しい