政略結婚に隠された真実
こんな騒ぎになっている周りを気にしていないのか、大翔は特に変わった様子も見えない。
ん?・・・慣れてる・・・?・・・風ふうにも見える・・・?

大翔は、ため息をついている愛梨を見て満面の笑みを浮かべた。
「はい、愛梨、いってらっしゃい。今日も頑張ってね。」
大翔は腰を折り、愛梨の頬へキスをした。

「――――――ッ!!」
愛梨の顔は真っ赤になり、勢いよく手を頬に当てた。

「あはは。顔、真っ赤だよ。」
―――あ、この笑顔―――
ちょっと砕けた様なこの笑顔にドキッとした。

心臓がバクバクいってるし、顔真っ赤だし、話題を変えなくちゃっ!と思ってグルグル考えた。
とっさに出てきた質問が・・・。

「碓氷さんは外国人ですか!?」

あ~・・・テンパりすぎてなんてアホな質問を・・・。
今度は頭を抱え項垂れた。

「残念ながら、僕は生粋の日本人だよ。」
大翔が予想していたよりも遥か上を行くの愛梨の質問に吹き出しそうになった。
大笑いしたいのを我慢して、くっくっと笑いながら、愛梨の頭をなでながら質問に答えた。
そして、こんな純粋な反応を見せてくれて嬉しく思った。

何とか自分を落ち着かせたので、愛梨は次の質問は普通にした。

「そういえば、こんな時間にココに居て、碓氷さん、仕事は良いんですか?!」
「仕事?うん、大丈夫だよ。今日は一度出社して朝の仕事を終わらせて、愛梨を迎えに来たから大丈夫。」
「え?出社してきたんですか?」
「そうだよ。愛梨に会いたくて。」
にっこり笑顔とほほ笑まれて、愛梨は恥ずかしくなってまた俯いた。

「わざわざ迎えに来なくていいですか・・・ら!?」

ふと目の端に入ってきた人影をチラッと横目で見た。

げっ!瑠依!?

会社エントランスで、一部始終を見てニヤッとしている瑠依と目があった。
そして、私は、自分たちの周りを見渡すと、ものすごい人だかりになっていた。

うわッ!ここ会社のエントランスだった!!すっかり忘れてたッ!!
うげッ!周りにこんなに人がたくさんいたことも忘れてたッ!!
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