政略結婚に隠された真実
はぁ、とまたため息をついてると、隣の同期の子が戻ってきていた。
「朝霧さん、たっぷり仕事はあるの。私も残業したくないわけ。定時で上がるなら、ため息なんてついてないで仕事してくれない?迷惑。自分で出来なかった仕事を私に押し付けて帰るなんてこと、ご令嬢様はしないわよね?」
嫌味を大量に詰め込んだ言葉を言われ、また売り言葉に買い言葉。
「あら、いつも仕事の振分はあなたより私の方が多いのよ。それでも残業なんてしないわ。あなたは残業ばかりだけど、無駄口叩いててさばけるのかしら?」
ふわりと髪を揺らしながら微笑んでみる。
苦虫を噛み潰したような顔でこちらを見たが、ふん!っと鼻を鳴らし仕事に取り掛かった。
私も瑠依との待ち合わせに遅れない様にハイスピードで仕事をしていった。
だけど、朝の出来事が頭の中でエンドレスで流れている。
なんで私が結婚?
恋人でもない人と?
好きでもない人と?
ましてや、会ったこともない人と?
いや、無理。
うん、無理しか考えられない。
信じられない。
なんで?
NOOOO――――――!
悩み過ぎてお弁当ものどを通らず、ご飯食べるのは諦めた。
とにかく、どうやって父と母から言われる結婚を回避するのか、考えなくては!!
でも、回避できなかったら?
その時は結婚しかない?
そうだ!慧維が止めてくれるよね!
慧維ヤツは過保護だし、いつも私の味方だもん!
…だけど、慧維が止めれなかったら?逆に止めてくれなかったら?
…やっぱり自分でなんとかしなくちゃダメだよね…
うん、自分でなんとかしなくちゃ‼
結婚なんて、無理。
絶対無理なんだから!
The 前向き!
ぐるぐると考えていると、あっという間に定時になり、瑠依が迎えに来た。
「おつー、愛梨。仕事終わった?」
「おつー、瑠依、なんとか終わったよ。」
力なく返事をすると、河内さんが会話に入ってきた。
河内さんは、この会社の営業成績トップ3に入る若手営業さん。
容姿端麗で、人柄もよく、男性から尊敬な眼差しで、女性からは、恋愛対象で見られることがほとんど。
「今日の愛梨ちゃん、百面相みたいで見てて面白かったよ~。何があったか聞いても答えてくれないし。瑠依ちゃん、今日の女子会で情報仕入れたら、横流しよろしく!」
サラッと"横流し"とか言ってるし。
河内さんは、私の事を社長令嬢と特別な扱いはせず、同僚として指導もしてくれるし、対等に接してくれる。
ただ…
「河内さん、ちゃん付けで呼ぶのは止めてください。勘違いされたら迷惑被るのは嫌なんで。」
じとーっとした目で睨み付け、ハッキリと言ったよ。
だってほら、河内さんファンクラブのお姉様方に要らんいじめは受けたくないし。
河内さんは、クスクスと笑うだけ。
…まぁ、お姉様方の痛い視線は…今は放っておきます。
やられたらやり返すけど、痛い視線を送られてるだけじゃやり返せないしね。
会話も落ち着いた頃に、瑠依が、さて行きますか!と私の腕を掴み歩き出した。
河内さんに、情報横流しは任せといて!と腕を振り上げ、ニカッと笑って、いつもの居酒屋へと向かった。
「朝霧さん、たっぷり仕事はあるの。私も残業したくないわけ。定時で上がるなら、ため息なんてついてないで仕事してくれない?迷惑。自分で出来なかった仕事を私に押し付けて帰るなんてこと、ご令嬢様はしないわよね?」
嫌味を大量に詰め込んだ言葉を言われ、また売り言葉に買い言葉。
「あら、いつも仕事の振分はあなたより私の方が多いのよ。それでも残業なんてしないわ。あなたは残業ばかりだけど、無駄口叩いててさばけるのかしら?」
ふわりと髪を揺らしながら微笑んでみる。
苦虫を噛み潰したような顔でこちらを見たが、ふん!っと鼻を鳴らし仕事に取り掛かった。
私も瑠依との待ち合わせに遅れない様にハイスピードで仕事をしていった。
だけど、朝の出来事が頭の中でエンドレスで流れている。
なんで私が結婚?
恋人でもない人と?
好きでもない人と?
ましてや、会ったこともない人と?
いや、無理。
うん、無理しか考えられない。
信じられない。
なんで?
NOOOO――――――!
悩み過ぎてお弁当ものどを通らず、ご飯食べるのは諦めた。
とにかく、どうやって父と母から言われる結婚を回避するのか、考えなくては!!
でも、回避できなかったら?
その時は結婚しかない?
そうだ!慧維が止めてくれるよね!
慧維ヤツは過保護だし、いつも私の味方だもん!
…だけど、慧維が止めれなかったら?逆に止めてくれなかったら?
…やっぱり自分でなんとかしなくちゃダメだよね…
うん、自分でなんとかしなくちゃ‼
結婚なんて、無理。
絶対無理なんだから!
The 前向き!
ぐるぐると考えていると、あっという間に定時になり、瑠依が迎えに来た。
「おつー、愛梨。仕事終わった?」
「おつー、瑠依、なんとか終わったよ。」
力なく返事をすると、河内さんが会話に入ってきた。
河内さんは、この会社の営業成績トップ3に入る若手営業さん。
容姿端麗で、人柄もよく、男性から尊敬な眼差しで、女性からは、恋愛対象で見られることがほとんど。
「今日の愛梨ちゃん、百面相みたいで見てて面白かったよ~。何があったか聞いても答えてくれないし。瑠依ちゃん、今日の女子会で情報仕入れたら、横流しよろしく!」
サラッと"横流し"とか言ってるし。
河内さんは、私の事を社長令嬢と特別な扱いはせず、同僚として指導もしてくれるし、対等に接してくれる。
ただ…
「河内さん、ちゃん付けで呼ぶのは止めてください。勘違いされたら迷惑被るのは嫌なんで。」
じとーっとした目で睨み付け、ハッキリと言ったよ。
だってほら、河内さんファンクラブのお姉様方に要らんいじめは受けたくないし。
河内さんは、クスクスと笑うだけ。
…まぁ、お姉様方の痛い視線は…今は放っておきます。
やられたらやり返すけど、痛い視線を送られてるだけじゃやり返せないしね。
会話も落ち着いた頃に、瑠依が、さて行きますか!と私の腕を掴み歩き出した。
河内さんに、情報横流しは任せといて!と腕を振り上げ、ニカッと笑って、いつもの居酒屋へと向かった。