政略結婚に隠された真実
「うぅ~ん・・・新~・・・慧維のバカ・・・」
愛梨は、悪夢にうなされていた。
アルコールですっかり酔い、頭の中では父母ちちははと戦っていて、その戦が劣勢の夢を見ていた。
そこで、弟の慧維と親友の新に助けを求めていた。
なんと、夢の中の慧依は両親側に付き、新は愛梨側に付きいていた。
慧維は自分の味方だと、絶対の自信があった愛梨は胸が苦しく、じわじわと視界が滲んできた。
弟慧維の裏切りにより絶望に陥り、この戦いが一体なんなのかも分からなくなった時、
ふと体の息苦しさが無くなり、ふわっふわっとした暖かいものにくるまれる様な感覚に、ホッとした。
なんだかすごく暖かくて、気持ち良い。
ふわふわの雲の上にいるように、自分の体が軽く浮いているような感覚。
さっきまでの絶望や息苦しさが一気に去っていった事に安心した瞬間。
心を安心させる様な匂いに鼻腔をくすぐられ、何だか懐かしい感じを覚え、それを抱きしめた。
抱きしめると、もっとその感覚に近付きたくなりもっともっと抱きしめた。
ものすごく安心するような温もりに自然と笑みがこぼれた。
*****
愛梨を抱え、部屋に連れて行きベッドへ寝かせた大翔は、ベッドの端に腰掛け愛梨の頭をそっと撫でた。
さらさらの愛梨の髪は、大翔の指の間をするりと通りぬけて行く。
額にかかった前髪をそっと横に流し、そのまま頬へと手を滑らす。
「新は君のどういう存在?」
じっと愛梨の顔を見つめながら問うが、ぐっすりと寝ている愛梨にはその言葉は届かない。
くぅくぅと寝息を立てている愛梨を見つめた大翔。
「お義父さんとお義母さんに色々話を聞いたけど、新は部屋にまで入れるの?」
やはり寝入っている愛梨に声をかけても起きる様子もない。
ふぅ…とため息をついて、ベッドから立った。
くんっ
何かに引っ張られた。
振り返ってみると、愛梨の手には大翔の服が握られていた。
「うぅ~ん・・・新~・・・慧依のバカ・・・」
瞬間的に大翔は顔を引きつらせた。
愛梨が寝言を言った。その寝言に新の名前が出てきた事に、体が固まった。
「・・・愛梨。僕は君の夫になるんだけど?」
嫌味を言ってみても、愛梨は無反応。まぁ、それはそうだ。と自傷気味にふっと笑う。
服をきつく握られているので、どうしたものかと考えていたら、
あ、そうだ。と良い事も思いつき、大翔はニヤリと口の角をあげた。
大翔は着ていたシャツを脱いだ。
そして、愛梨のきっちり着ているブラウスを脱がせ、皺になるからと思いふわっとしたスカートを脱がせる。
きゃしゃな肩があらわれ、体が細いにも関わらず魅力的な胸、ほっそりとした腰、スラッとした白い足が伸び、肌は白いが、お酒のせいでほんのりピンク色の肌をしている。
そして、苦しさが取れたからか、愛梨はふぅと声を上げた。
そんな愛梨を見て、大翔はドキリとしたが、大翔も横になり、愛梨を抱きしめた。
すると突然、愛梨がぎゅうっと抱きついてきた。
大翔の胸にぐりぐりと頭をこすりつけて、ふにゃりと笑う。
「!!」
愛梨が起きたのかと思った大翔だが、それ以上動かない愛梨を見て、『おやすみ、愛梨』とつぶやき、自分も目を閉じて眠りについた。
愛梨は、悪夢にうなされていた。
アルコールですっかり酔い、頭の中では父母ちちははと戦っていて、その戦が劣勢の夢を見ていた。
そこで、弟の慧維と親友の新に助けを求めていた。
なんと、夢の中の慧依は両親側に付き、新は愛梨側に付きいていた。
慧維は自分の味方だと、絶対の自信があった愛梨は胸が苦しく、じわじわと視界が滲んできた。
弟慧維の裏切りにより絶望に陥り、この戦いが一体なんなのかも分からなくなった時、
ふと体の息苦しさが無くなり、ふわっふわっとした暖かいものにくるまれる様な感覚に、ホッとした。
なんだかすごく暖かくて、気持ち良い。
ふわふわの雲の上にいるように、自分の体が軽く浮いているような感覚。
さっきまでの絶望や息苦しさが一気に去っていった事に安心した瞬間。
心を安心させる様な匂いに鼻腔をくすぐられ、何だか懐かしい感じを覚え、それを抱きしめた。
抱きしめると、もっとその感覚に近付きたくなりもっともっと抱きしめた。
ものすごく安心するような温もりに自然と笑みがこぼれた。
*****
愛梨を抱え、部屋に連れて行きベッドへ寝かせた大翔は、ベッドの端に腰掛け愛梨の頭をそっと撫でた。
さらさらの愛梨の髪は、大翔の指の間をするりと通りぬけて行く。
額にかかった前髪をそっと横に流し、そのまま頬へと手を滑らす。
「新は君のどういう存在?」
じっと愛梨の顔を見つめながら問うが、ぐっすりと寝ている愛梨にはその言葉は届かない。
くぅくぅと寝息を立てている愛梨を見つめた大翔。
「お義父さんとお義母さんに色々話を聞いたけど、新は部屋にまで入れるの?」
やはり寝入っている愛梨に声をかけても起きる様子もない。
ふぅ…とため息をついて、ベッドから立った。
くんっ
何かに引っ張られた。
振り返ってみると、愛梨の手には大翔の服が握られていた。
「うぅ~ん・・・新~・・・慧依のバカ・・・」
瞬間的に大翔は顔を引きつらせた。
愛梨が寝言を言った。その寝言に新の名前が出てきた事に、体が固まった。
「・・・愛梨。僕は君の夫になるんだけど?」
嫌味を言ってみても、愛梨は無反応。まぁ、それはそうだ。と自傷気味にふっと笑う。
服をきつく握られているので、どうしたものかと考えていたら、
あ、そうだ。と良い事も思いつき、大翔はニヤリと口の角をあげた。
大翔は着ていたシャツを脱いだ。
そして、愛梨のきっちり着ているブラウスを脱がせ、皺になるからと思いふわっとしたスカートを脱がせる。
きゃしゃな肩があらわれ、体が細いにも関わらず魅力的な胸、ほっそりとした腰、スラッとした白い足が伸び、肌は白いが、お酒のせいでほんのりピンク色の肌をしている。
そして、苦しさが取れたからか、愛梨はふぅと声を上げた。
そんな愛梨を見て、大翔はドキリとしたが、大翔も横になり、愛梨を抱きしめた。
すると突然、愛梨がぎゅうっと抱きついてきた。
大翔の胸にぐりぐりと頭をこすりつけて、ふにゃりと笑う。
「!!」
愛梨が起きたのかと思った大翔だが、それ以上動かない愛梨を見て、『おやすみ、愛梨』とつぶやき、自分も目を閉じて眠りについた。