エリートな先輩の愛情を独り占め!?
「八谷先輩、あの、私明日からダイエッ」
「おー餃子きたきた、めっちゃ美味そう〜! ほら、食え、タマ」
「あの八谷先輩っ、私今回は本気で」
「ラー油多めでいい?」
「八谷先輩聞いて下さい!」
バン! と大きな音を立てて、私は机に手をついた。八谷先輩はそんな私を目を丸くして見つめている。
今日こそは言わなくてはならない。今まで言おう言おうとして結局言えなかった。でも今回は本当の本当に本気なのだ。
「私明日からダイエットするので、お弁当持参します」
「う、嘘だろ、タマ……お前料理できないだろ……」
「今回は本気なんです、先輩に美味しいもの食べさせてもらい過ぎたせいで、私は二キロ太ったんです……」
それどころか、油物の食べ過ぎで肌は荒れるしお酒の飲み過ぎで顔は浮腫むし、胃も大きくなってしまった。食べることは大好きだけど、このままじゃ本当に危険だ。危険なのだ。
「大丈夫だ、俺はちょっと丸いくらいの方が好きだぞ! 抱き心地いいし」
「八谷先輩の好みになってどうするんですか! 全然意味ない嬉しくない!」
「待ってサラッとひどくね?」
「彼氏に言われたんですよ、それ以上太ったら……た、勃つ自信ないって!」
「あーー……」
私の言葉を聞いて、八谷先輩は気まずそうな顔で視線を逸らした。
元々細い子が好きな彼氏、元々太りやすい体質の私……彼氏は元々私のことはそんなにタイプじゃなかったみたいだけど、押して押してようやく付き合えた。
ダイエットやお化粧も彼のために頑張って、本当に努力して付き合えたイケメンの彼氏なのだ。