エリートな先輩の愛情を独り占め!?
風が冷たくて泣きたくなったのは初めてだ。
すでに情がわいているから、裏切られたショックはとても大きい。それだけじゃない。手を出したいほど魅力に感じる女性に出会ってしまったこと、その女性にすでに女として負けていること、私への気持ちが薄れてしまったこと……怒りや悲しみ、嫉妬、色んな感情が混ざり合い、立ち直るにはどれだけ時間がかかるのか計り知れない。
「はあ……」
ため息をついたら、じわりと涙があふれてきた。
……これからどうしよう。わかんないや、考えたくない。誰か決めてよ。
自暴自棄になったその時、左ポケットでスマホが震えた。電話の着信時の震え方だったので、私はすぐにスマホを取り出した。
「……もしもし」
「タマ、悪いちょっと聞きたいことあんだけど、今大丈夫か?」
「八谷先輩……」
……本当この人は、タイミングがよすぎる。
涙声であることがバレないように、私は必死に平静を装って会話をした。
「お前が品質管理に所属する前に俺と組んで進行してた時田製菓との資料、どこにしまったか覚えてるか?」
「時田製菓ですか? それなら資料室の一番奥の棚の引き出しに入っていますよ。ブルーのファインダーです」
「あー、新人研修の資料とか入ってるとこね。思い出したわ、サンキュー」
八谷先輩の明るい声を聞いたら、安心してまた涙がでそうになった。だめだ、がんばれ、耐えろ。
そう思えば思うほど涙が止まらなくなって、私はバレないようにスマホを顔から離した。
すでに情がわいているから、裏切られたショックはとても大きい。それだけじゃない。手を出したいほど魅力に感じる女性に出会ってしまったこと、その女性にすでに女として負けていること、私への気持ちが薄れてしまったこと……怒りや悲しみ、嫉妬、色んな感情が混ざり合い、立ち直るにはどれだけ時間がかかるのか計り知れない。
「はあ……」
ため息をついたら、じわりと涙があふれてきた。
……これからどうしよう。わかんないや、考えたくない。誰か決めてよ。
自暴自棄になったその時、左ポケットでスマホが震えた。電話の着信時の震え方だったので、私はすぐにスマホを取り出した。
「……もしもし」
「タマ、悪いちょっと聞きたいことあんだけど、今大丈夫か?」
「八谷先輩……」
……本当この人は、タイミングがよすぎる。
涙声であることがバレないように、私は必死に平静を装って会話をした。
「お前が品質管理に所属する前に俺と組んで進行してた時田製菓との資料、どこにしまったか覚えてるか?」
「時田製菓ですか? それなら資料室の一番奥の棚の引き出しに入っていますよ。ブルーのファインダーです」
「あー、新人研修の資料とか入ってるとこね。思い出したわ、サンキュー」
八谷先輩の明るい声を聞いたら、安心してまた涙がでそうになった。だめだ、がんばれ、耐えろ。
そう思えば思うほど涙が止まらなくなって、私はバレないようにスマホを顔から離した。