エリートな先輩の愛情を独り占め!?
「理乃、ダイエットは順調?」
彼の家のソファーで寝転がっていると、お風呂上がりの彼が呆れた口調でそう言い放った。
「う……、いやでも、最近外食やめたから!」
「例の餌付け癖のある先輩はふったわけ?」
「いや、ふったもなにも、先輩には彼女がいるし……」
困ったように返すと、彼はふーん、と興味なさげに呟いてから、私と少し距離を開けてソファーに座った。
彼の名前は福岡竣介さん、年齢は同い年。金融会社に勤めるエリートで、彼とは合コンで出会って私から一目惚れして猛アタックした。
目鼻立ちがハッキリしたハーフ顔で、見れば見るほど惚れ惚れする。性格は自分に自信があるが故に常に上から物を言うところがあるけれど、たまに見せる優しさにまんまと射抜かれてしまった。
しかし付き合って三ヶ月が過ぎた頃から、段々その優しさも見えなくなってしまったのだけれど……。
「どうせダイエットなんか続かないよ。お前は目標をもってコツコツ努力することが苦手だからな」
「そ、そんなことないよ。今回は頑張るよ」
少しムッとした口調で返すと、彼はそれを無視してテレビをつけた。沈黙が続き、月九のオープニングが静かな部屋の中に流れ込む。