エリートな先輩の愛情を独り占め!?

だめだ、蓋をしろ、私。
八谷先輩には、彼女がいるんだから。

「……可愛いくて、参るよ、本当に……」

八谷先輩はとても弱々しい声でつぶやいたけれど、私を抱きしめる腕の力はとても強かった。
八谷先輩の少し速い鼓動を感じながら、私は、八谷先輩を抱きしめ返す権利が欲しいと思った。

それはつまり、自覚してしまったから生まれた欲だった。
……いつからかはわからない。でも、八谷先輩に彼女がいることを気持ちのストッパーとしていた時からきっと、好きだったんだろう。


八谷先輩のことが。



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