エリートな先輩の愛情を独り占め!?
* * *
……私の家に着くと、先輩は胸を押さえながらなんか緊張してきた、と呟いた。しかし、そんな緊張なんて感じさせない余裕のあるキスで、八谷先輩はすぐに私をベッドに組み敷いた。
「八谷先輩、大阪で美味しいお店見つけましたか……?」
「見つけたけど、今した方がいい? その話」
「いや、なんか緊張してきちゃって……」
「やめろ、移るから」
「ハハ、すみませ……、ん」
八谷先輩のキスは、頭の芯まで溶かしてしまうような、優しくて熱いキスだ。
仕事モードの八谷先輩しか見たことがなかったから、完全に獣モード全開の八谷先輩に、私はすでにたじたじだった。
キスをしながら、八谷先輩はニットの中に手を入れて、それから、裾を首までたくし上げた。
下着姿になった私を膝立ちで見下ろして、ネクタイを緩めながら八谷先輩は呟いた。
「……ごめん、思ったより、余裕ないかも」
その、余裕のない顔がなんだか妙に色っぽくて、下着姿を見られていることの羞恥心すら忘れてしまうほど、恍惚としてしまった。
その間に、ニットを完全に脱がされて、深いキスをしながら、嫌ってほど愛撫された。
「……理乃、好きだよ」
時折、掠れた声で八谷先輩がそう呟くので、私はその度にぐらっとしてしまい意識を手放しそうになったが、私の髪を撫でる八谷先輩の手が腫れていることに気づいた。
「えっ、八谷先輩、これ……、まさかさっき殴った時」
「あー、そういやなんか殴ったな」
「ごめんなさい、こんな痛い思いさせて……」
「俺の鬱憤晴らすために殴っただけだから、気にすんな」
でも……と、少し暗い顔をすると、前髪をかきあげられ、額にちゅっとキスをされた。それから、八谷先輩は私の頬を撫でながらしみじみと呟いた。