エリートな先輩の愛情を独り占め!?
私の先輩
「お前ほんっと美味そうに飯食うよな。お前の唯一の長所だよ、そこ」
ソファーに座ってお好み焼きをひっくり返しながら、関心しきったように八谷先輩がそう言い放った。
私は、八谷先輩が家庭用のホットプレートで焼いてくれたお好み焼きを食べて、その美味しさに身悶えている。
「ほんっっとに美味しいですね、このお好み焼き粉。本場のソースと粉を使うとこんなに違うものなんですねえ」
「おい、食ってばっかりいないでお前も焼けよ、後輩」
「はー美味しい。あ、八谷先輩次イカ玉がいいですじゃんじゃん焼きましょう」
今日は一ヶ月に一度、八谷先輩が東京に戻ってくる日だ。
お土産はなにがいいかと聞かれたので、私はお好み焼き粉とソースをリクエストした。こんなに重いものをリクエストするなんて理乃は本当にセンスがあるわあ、と言いながら、八谷先輩は沢山お土産を買ってきてくれた。
そして今、そのお好み焼き粉を使って私の家でお好み焼きパーティーをしているのだ。私の仕事はソファー前にあるローテーブルにホットプレートを置いただけで、お好み焼きが焼きあがるのを先輩の隣に座って待っているだけ。
「そういえば先輩の作った商品、この前コンビニに買いに行ったけれど売り切れてましたよ」
「え、まじ⁉︎ うわー、それすげぇ嬉しいわ……」
「本当に美味しいですもん、パッケージも印象的ですし……。今こっちでもその話題で持ちきりですよ。いきなりヒット商品出すなんて、本当可愛くないって」