エリートな先輩の愛情を独り占め!?
「やっぱりなー、才能ある奴は妬まれるよなー」
八谷先輩がわかるわかる、というように頷いたことになんだか腹が立って、私は八谷先輩のお皿に焦げたお好み焼きの破片を乗せた。
八谷先輩が開発した、ザクザクした食感の真四角のハードクッキーに、ブラックチョコをコーティングした一口サイズのお菓子は、印象的なCMとその美味しさが話題を呼んで今や大ヒットとなっている。
同じ開発者として妬ましい気持ち半分、尊敬の気持ち半分という、非常に複雑な心境だ。
ちなみに私はというと、今は品質管理から開発部に異動し、八谷先輩が過去にしていた仕事と全く同じことをしている。
クライアントから要求された素材の値段を交渉して、試行錯誤を重ねながら、クライアントの希望通りの商品に近づけていく。
相手も同じ業界人だから、想像以上に知識がいるし、営業マンとしての素質も重要視される大変な仕事だ。八谷先輩は、これをスイスイこなしていたのかと思うと、やっぱりこの人ただ者ではない。
「そういえばさ、今度また、本社に商品開発の人間引き抜く話出てるよ」
「えっ、そうなんですか!」
「お前のことも推薦しといたから、あとは自分の力で頑張れ」
「あ、ありがとうございます……っ」
……こんな会話をしていると、時々恋人であることを忘れて、本気で上司として尊敬してしまう。
今は本社の商品開発部の主任で、次期係長候補として噂されている彼は、やはり開発者としての才能がある。
私もいつか、八谷先輩のようになりたいと、心からそう思っている。
「ますます理乃が俺に憧れてしまうな、これは……」
「おっしゃる通りです」
「おいやめろ、突っ込めよそこは。ただのよいしょになるだろうが」
八谷先輩と付き合っていることは、まだ会社には内緒にしている。
もし八谷先輩ファンにばれたなら、私は前以上に酷いいびりを受けるだろう。因みに、桜庭さんはつい最近幼なじみと結婚して寿退社をした。
八谷先輩がわかるわかる、というように頷いたことになんだか腹が立って、私は八谷先輩のお皿に焦げたお好み焼きの破片を乗せた。
八谷先輩が開発した、ザクザクした食感の真四角のハードクッキーに、ブラックチョコをコーティングした一口サイズのお菓子は、印象的なCMとその美味しさが話題を呼んで今や大ヒットとなっている。
同じ開発者として妬ましい気持ち半分、尊敬の気持ち半分という、非常に複雑な心境だ。
ちなみに私はというと、今は品質管理から開発部に異動し、八谷先輩が過去にしていた仕事と全く同じことをしている。
クライアントから要求された素材の値段を交渉して、試行錯誤を重ねながら、クライアントの希望通りの商品に近づけていく。
相手も同じ業界人だから、想像以上に知識がいるし、営業マンとしての素質も重要視される大変な仕事だ。八谷先輩は、これをスイスイこなしていたのかと思うと、やっぱりこの人ただ者ではない。
「そういえばさ、今度また、本社に商品開発の人間引き抜く話出てるよ」
「えっ、そうなんですか!」
「お前のことも推薦しといたから、あとは自分の力で頑張れ」
「あ、ありがとうございます……っ」
……こんな会話をしていると、時々恋人であることを忘れて、本気で上司として尊敬してしまう。
今は本社の商品開発部の主任で、次期係長候補として噂されている彼は、やはり開発者としての才能がある。
私もいつか、八谷先輩のようになりたいと、心からそう思っている。
「ますます理乃が俺に憧れてしまうな、これは……」
「おっしゃる通りです」
「おいやめろ、突っ込めよそこは。ただのよいしょになるだろうが」
八谷先輩と付き合っていることは、まだ会社には内緒にしている。
もし八谷先輩ファンにばれたなら、私は前以上に酷いいびりを受けるだろう。因みに、桜庭さんはつい最近幼なじみと結婚して寿退社をした。