ツケマお化けに恋して
玄関を開けると靴を脱ぎ捨て逃げるように部屋へ入る男の子を追いかける。
「こら!魁(かい)待ちなさい」
「ちゃんと謝らなくちゃダメでしょう!!」
「嫌だ!だって好きな子は一人だけだもん!嫌いな子にキスなんて出来ない!」
「だからキスしろって言ってるんじゃないでしょ!!お友達に嫌いって言っちゃダメって言ってるの!」
小生意気な彼は、杉下魁 5歳 みどり幼稚園に通っている。
彼は父親に似てイケメンである。幼稚園児にイケメンも何も無いが幼稚園ではよくモテるらしい。
そんな彼に隣のクラスの女の子ふたりが『魁君キスして』と言ったらしい。
今時の子はおませな子が多いようだ。
だが彼には同じクラスに好きな子が居るらしく『ふたりとも嫌いだからキスしない!』と言ったらしい。
それでその子達は泣き出しなかなか泣き止まなくて先生達が大変だったと言う話だ。
「だって嫌いなものは嫌いなんだもん!好きな子にしか好きって言っちゃダメなんだよ!ねぇパパ!」
「もぅ誰に似たのよ!こんなに物をはっきり言うところ!」
ソファーに座る辰次郎さんを睨む。
「あいつ達毎日キスしろって煩いんだもん!それにパパが『そういう時ははっきり言わないとダメだぞ』ってパパいったもん!」
「もぅ辰次郎、余計な事教えないでよ!!」
「別に好きじゃない子に好きと言わなくて良いと言っただけだ」
「わぁーママヒステリーだ!おばさんのヒステリーなんてヤーねぇ〜」
「こら魁その口マネ辞めなさい!」
辰次郎さんは今でもたまにミチルになって【夜の花園】に顔を出している。
父親の会社を弟の崇仁さんが継いでいるが、何かと辰次郎さんを頼ってくる為、辰次郎さんは相談役の役職で崇仁さんを支えている。
辰次郎さんは崇仁さんに兄離れをさせる為に『俺には【夜の花園】があるんだ!いつまでも俺が側に居ると思うな!』と言っている。お店のほうはクリリンリンさんにまかせて辰次郎は経営だけを続けている。
そして『辰次郎、イケメンで仕事は出来るし、優しくて料理も出来るなんて欠点無さ過ぎ!ズルい!せめてツケマお化けで居なさいよ!』って言った馬鹿な私の我儘を聞いてくれているのだ。
魁は賢い子でパパがママの為にミチルになっている事を知っているようだ。
「ヤーよぉ〜」
「魁!!!」
完
「こら!魁(かい)待ちなさい」
「ちゃんと謝らなくちゃダメでしょう!!」
「嫌だ!だって好きな子は一人だけだもん!嫌いな子にキスなんて出来ない!」
「だからキスしろって言ってるんじゃないでしょ!!お友達に嫌いって言っちゃダメって言ってるの!」
小生意気な彼は、杉下魁 5歳 みどり幼稚園に通っている。
彼は父親に似てイケメンである。幼稚園児にイケメンも何も無いが幼稚園ではよくモテるらしい。
そんな彼に隣のクラスの女の子ふたりが『魁君キスして』と言ったらしい。
今時の子はおませな子が多いようだ。
だが彼には同じクラスに好きな子が居るらしく『ふたりとも嫌いだからキスしない!』と言ったらしい。
それでその子達は泣き出しなかなか泣き止まなくて先生達が大変だったと言う話だ。
「だって嫌いなものは嫌いなんだもん!好きな子にしか好きって言っちゃダメなんだよ!ねぇパパ!」
「もぅ誰に似たのよ!こんなに物をはっきり言うところ!」
ソファーに座る辰次郎さんを睨む。
「あいつ達毎日キスしろって煩いんだもん!それにパパが『そういう時ははっきり言わないとダメだぞ』ってパパいったもん!」
「もぅ辰次郎、余計な事教えないでよ!!」
「別に好きじゃない子に好きと言わなくて良いと言っただけだ」
「わぁーママヒステリーだ!おばさんのヒステリーなんてヤーねぇ〜」
「こら魁その口マネ辞めなさい!」
辰次郎さんは今でもたまにミチルになって【夜の花園】に顔を出している。
父親の会社を弟の崇仁さんが継いでいるが、何かと辰次郎さんを頼ってくる為、辰次郎さんは相談役の役職で崇仁さんを支えている。
辰次郎さんは崇仁さんに兄離れをさせる為に『俺には【夜の花園】があるんだ!いつまでも俺が側に居ると思うな!』と言っている。お店のほうはクリリンリンさんにまかせて辰次郎は経営だけを続けている。
そして『辰次郎、イケメンで仕事は出来るし、優しくて料理も出来るなんて欠点無さ過ぎ!ズルい!せめてツケマお化けで居なさいよ!』って言った馬鹿な私の我儘を聞いてくれているのだ。
魁は賢い子でパパがママの為にミチルになっている事を知っているようだ。
「ヤーよぉ〜」
「魁!!!」
完