ツケマお化けに恋して
ホテルからタクシーに乗りさすがにドレスアップして居酒屋はどうかと思ったが「今更じゃん」と宏海が言いいつものチェーン店の居酒屋に移動した。
入り口の引き戸を開けると「っらしゃい!」威勢の良い掛け声が飛んで来た。私達は店内に入るとお店の人も心得ているようで「奥の部屋空いてますからどうぞ」と個室を案内してくれた。
私は直ぐに枝豆とナスの漬物それからビールを頼み宏海は焼酎、勿論ボトルで頼んだ。飲み物が運ばれるとグラスを「カンパイ」と合わせて冷えたビールを喉へと流し込みナスの漬物を食べ「美味しい」と満足する。
やっぱり私達には洒落たお店でカクテルとかいうのは似合わないよねぇ…ナスの漬物なんか置いてないだろうし。
宏海は待っていたかの様に「ねぇー」と話しだす。
「なに?」
「お嫁さんのお腹随分大きかったよね?いつ生まれてもおかしくないくらいじゃなかった?」
宏海の言うように確かに大きかった。
大きなお腹を抱えて披露宴なんて大変だろうにそれに先月は大阪でも披露宴をやっている。
私は良くやろうと思ったものだお嫁さんを感心して見ていた。
「隣のテーブルに座っていた同期の坂下君と松本君が話してたけど、お嫁さんのお腹の子木村の子じゃないって噂が有るらしいよ」
「えっ嘘?」私は目を丸くして驚くと宏海は少し顔を歪めて話を続ける。
「お嫁さん木村と付き合い始めた頃、前から付き合ってた人と切れてなくて何度か一緒に居る所を大阪支社の私達の同期の小林って事務の子が見たらしいの」
「まさか?…じゃ別れ話をしてたとか?」
「じゃなくてラブホに入る所を見たんだって」
「えーそれって二股って事?」
「で、坂下君達の話だとお嫁さんは一人娘で実家は資産家らしいから、財産目当てで木村は知らないふりをしてるんじゃないかって」
「そんな…」
稔が財産目当だなんて…
「噂だから本当のところは分かんないけどね?坂下君達の僻みもあるんだろうけど?」
その後宏海と別れてもそのまま家に帰る気がしなくて【夜の花園】に向かっていた。
入り口の引き戸を開けると「っらしゃい!」威勢の良い掛け声が飛んで来た。私達は店内に入るとお店の人も心得ているようで「奥の部屋空いてますからどうぞ」と個室を案内してくれた。
私は直ぐに枝豆とナスの漬物それからビールを頼み宏海は焼酎、勿論ボトルで頼んだ。飲み物が運ばれるとグラスを「カンパイ」と合わせて冷えたビールを喉へと流し込みナスの漬物を食べ「美味しい」と満足する。
やっぱり私達には洒落たお店でカクテルとかいうのは似合わないよねぇ…ナスの漬物なんか置いてないだろうし。
宏海は待っていたかの様に「ねぇー」と話しだす。
「なに?」
「お嫁さんのお腹随分大きかったよね?いつ生まれてもおかしくないくらいじゃなかった?」
宏海の言うように確かに大きかった。
大きなお腹を抱えて披露宴なんて大変だろうにそれに先月は大阪でも披露宴をやっている。
私は良くやろうと思ったものだお嫁さんを感心して見ていた。
「隣のテーブルに座っていた同期の坂下君と松本君が話してたけど、お嫁さんのお腹の子木村の子じゃないって噂が有るらしいよ」
「えっ嘘?」私は目を丸くして驚くと宏海は少し顔を歪めて話を続ける。
「お嫁さん木村と付き合い始めた頃、前から付き合ってた人と切れてなくて何度か一緒に居る所を大阪支社の私達の同期の小林って事務の子が見たらしいの」
「まさか?…じゃ別れ話をしてたとか?」
「じゃなくてラブホに入る所を見たんだって」
「えーそれって二股って事?」
「で、坂下君達の話だとお嫁さんは一人娘で実家は資産家らしいから、財産目当てで木村は知らないふりをしてるんじゃないかって」
「そんな…」
稔が財産目当だなんて…
「噂だから本当のところは分かんないけどね?坂下君達の僻みもあるんだろうけど?」
その後宏海と別れてもそのまま家に帰る気がしなくて【夜の花園】に向かっていた。