ツケマお化けに恋して
「居ませんよ!今は仕事が忙しくてそれどころじゃないです!」

「そぅか……ごめんな変なこと聞いて…でも美貴野ちゃんもそろそろいい歳だし結婚も考えないとな?」と言って私の頭をポンポンと叩く。

「雅さん!その発言世間的にはセクハラとかになっちゃいますよ?それに結婚してない雅さんに言われたくないですけど?」と横目でジロッと睨んでみる。

「だな?アハハ…」と笑う。

「ところで雅さんはどうして結婚しなかったんですか?お母さんの話だと結構モテたって話だったけど?」

「モテたって意識はないけど…人並みに付き合った人は居たよ。でも…そこまで本気になれなかったかな…昔、酷い振られ方してさぁ…『あんたみたいな稼ぎの少ない人とは結婚出来ない』って言われてさぁ…その頃俺も見習い中で実際稼ぎ無かったけどね…それがトラウマになってるのかな…初恋は報われないって言うけどさぁ…」

「えっ?トラウマって初恋の事なんですか?それって半生記位昔の事じゃ無いですか?」

「おいコラ!俺はいくつだ?!」と私の頭を小突く。

「ねぇ雅さんの初恋ってうちのお母さんでしょ?」

雅さんの周りでそんな酷い言い方をする人はうちのお母さんしか考えられない。

私が確信持って聞くと雅さんは何も言わず苦笑していた。
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