ツケマお化けに恋して
ゴーン…ゴーン…
近くのお寺の鐘が聞こえ出した。

今年ももう終わり新しい年を迎える。

「あっ年が明けた!おめでとうございます」と進歩君が言う。

側に置いてあったスマホがおめでとうメールで何度も震える。

「本当だ!明けましておめでとうございます。今年も母をよろしくお願いします」と私は新年の挨拶をした。

「おめでとう!こちらこそよろしくお願いします」と雅さんは苦笑いして挨拶をする。

「美貴野さん今から初詣行きません?俺飲んでないから帰りも送りますよ」と進歩君に誘われ

「うん、行く!雅さんお母さんの面倒お願いします」と言って進歩君とふたり近くの神社へ初詣に出掛けた。





賽銭箱に小銭を入れて手を合わせる。

「よし!行こうか?」

その後夜店の並ぶ参道を二人で歩いた。

「美貴野さん、さっき何お願いしたんですか?」

「ん?お願い?仕事が上手く行きます様にかな…進歩君は何お願いしての?」

「美貴野さんの彼氏になれますようにってお願いしました」と進歩君はにっこり微笑む。

「アハハ…それは小銭では叶えてくれないんじゃない?一万円位出さないとね」と、私は笑う。

「そっか小銭じゃダメか?…じゃもう一度お参り行って来ます」と財布から一万円札を取り出す。

「ちょっと冗談だって!」

私は慌てて進歩君の腕を掴む。

「じゃ小銭でも叶いますか?」と真面目な顔で聞く。

参ったなぁ……
今日、いや昨日会ったばかりの大人をからかわないで欲しい。

「叶うかどうかは神様次第だから」と話を濁す。

その後夜店でリンゴ飴やいか焼きを買い射的なんかして楽しんだ後家まで送って貰った。




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