ツケマお化けに恋して
2時間ほど洋服や雑誌を仕分けて縛り1つの場所にまとめて置く。

「お母さーん!」

「なぁに?」

「お母さんこれ今度ゴミに出しといてくれる?」

「こんなに片付けちゃって、どぅしたの?」

「いつまでも私の荷物置いてちゃ邪魔でしょう?雅さんと一緒住むのに邪魔になるでしょ?後はまた来た時に片付けるからね!」

「美貴野…」

母は嬉しいような悲しいような複雑な顔をしている。

「あぁお腹空いた雅さんのお寿司食べに行こう!」

「そ…そうね雅君も待ってるわ」



母とふたり双葉寿司まで歩く。

お母さんとこうして歩くの久しぶりだなぁ。

「お母さんごめんね…私もシングルマザーになっちゃった」

「間違いなく私の娘って事だわね」

「だね!」

私は母と顔を見合わせ笑う。

「ねぇ相手の事聞かないの?」

「聞いてもなにも変わらないでしょ?それでも聞いてほしい?」

「ううん……今はまだ…話せないかな…」

「じゃ良いわ。もし美貴野が話したくなったら聞いてあげる」

ありがとう……

「お母さん大好き」と言って母に抱きついた。

「ほら!お腹の赤ちゃんが窮屈がってる」
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