ツケマお化けに恋して
ガラガラ……
お店はお昼の時間が終わり休憩時間に入ったようだ。
「こんにちは」
「あれ?美貴野ちゃん、恵もどうした?」
「美貴野が仕事があるから帰るって言うから」
私はカウンター席に座る。
「なんだ朝こっちから仕事行けば良いのに」と雅さんはがっかりしているように言う。
「うん…だけどふたりのラブラブは見たくないし」
「そぅなんですよ!俺なんか毎日ラブラブ見せつけられて困るんですよね」
進歩君はうんざりと言わんばかりに言う。
「あら大変ねぇ御愁傷様」と言うと皆んなが笑う。
「そうだ、恵、あれだして」と雅さんに言われ「あっそうね」と母は奥に入って行ったかと思うと直ぐに戻って来た。
母が私の前に広げておいたのは雅さんと母の名前が書いてある婚姻届の用紙だった。
「美貴野ちゃん、恵と一緒になっても良いかな?」
「…………」
雅さんの言葉に私は涙が溢れてきた。
「美貴野ちゃん…?」
私は椅子から立ち上がり「ふつつかな母ですが宜しくお願いします」と頭を下げた。
「もぅー美貴野……泣かさないでよ」
母の頬も涙で濡れている。
「美貴野ちゃん保証人の欄頼めるかな?」
私は頷いて署名をし鞄から印鑑を出し押す。
「ありがとう。進歩!お前にも頼めるか?」
雅さんは用紙を進歩君に向ける。
「えっ?俺で良いんですか?」
「あぁ俺の親はもう死んで居ないし、兄弟も居ないしな!まぁ身内って言ったらお前ぐらいだよ!それに恵のお気に入りだからな!頼めるか?」
「はい!!」
進歩君は署名すると「ちょ、ちょっと待ってて下さい」と言うと2階に駆け上がって行き印鑑を持って降りてきた。
そして進歩君が印を押す。
「お母さん、雅さん、おめでとう」
「おめでとうございます」
私と進歩君でお祝いの拍手をする。
「「ありがとう」」
母の嬉しそうな顔。
私をひとりで育ててくれて、どんなに辛くても絶対に泣き顔を見せなかった。
いつも私の前では笑って居てくれた母。
こんな幸せそうな顔を見るのは初めてだ。
多分母の人生で1番の顔だろう。
良かったね。お母さん……
お店はお昼の時間が終わり休憩時間に入ったようだ。
「こんにちは」
「あれ?美貴野ちゃん、恵もどうした?」
「美貴野が仕事があるから帰るって言うから」
私はカウンター席に座る。
「なんだ朝こっちから仕事行けば良いのに」と雅さんはがっかりしているように言う。
「うん…だけどふたりのラブラブは見たくないし」
「そぅなんですよ!俺なんか毎日ラブラブ見せつけられて困るんですよね」
進歩君はうんざりと言わんばかりに言う。
「あら大変ねぇ御愁傷様」と言うと皆んなが笑う。
「そうだ、恵、あれだして」と雅さんに言われ「あっそうね」と母は奥に入って行ったかと思うと直ぐに戻って来た。
母が私の前に広げておいたのは雅さんと母の名前が書いてある婚姻届の用紙だった。
「美貴野ちゃん、恵と一緒になっても良いかな?」
「…………」
雅さんの言葉に私は涙が溢れてきた。
「美貴野ちゃん…?」
私は椅子から立ち上がり「ふつつかな母ですが宜しくお願いします」と頭を下げた。
「もぅー美貴野……泣かさないでよ」
母の頬も涙で濡れている。
「美貴野ちゃん保証人の欄頼めるかな?」
私は頷いて署名をし鞄から印鑑を出し押す。
「ありがとう。進歩!お前にも頼めるか?」
雅さんは用紙を進歩君に向ける。
「えっ?俺で良いんですか?」
「あぁ俺の親はもう死んで居ないし、兄弟も居ないしな!まぁ身内って言ったらお前ぐらいだよ!それに恵のお気に入りだからな!頼めるか?」
「はい!!」
進歩君は署名すると「ちょ、ちょっと待ってて下さい」と言うと2階に駆け上がって行き印鑑を持って降りてきた。
そして進歩君が印を押す。
「お母さん、雅さん、おめでとう」
「おめでとうございます」
私と進歩君でお祝いの拍手をする。
「「ありがとう」」
母の嬉しそうな顔。
私をひとりで育ててくれて、どんなに辛くても絶対に泣き顔を見せなかった。
いつも私の前では笑って居てくれた母。
こんな幸せそうな顔を見るのは初めてだ。
多分母の人生で1番の顔だろう。
良かったね。お母さん……