「夜の砂浜みたい」

今日も彼女は一人でベッドに横たわりながら、シロにそう呟いた。

シロはつい、癖で、耳を彼女の方にむけてしまったけど、

聞いてないフリをした。

ホントはシロは知っている。

夜の海辺で産まれた。

二人が海水浴にきて、拾ってくれるまで、

シロはママとはぐれて何度も夜の砂浜をさ迷った。

きっと今、彼女も迷っているんだ。
彼を探して迷ってる。


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