一度ベッドに入っては、ごそごそと起き出し、彼女は明け方まで爪をいじった。

音楽もかけず、テレビもつけず、様々な色を爪に乗せては、その色を剥いだ。

膝に入るシロの頭に、爪を削った白い粉が降った。


でも、シロは白い。
彼女は気付かない。

膝から逃げ出した理由も。

彼が戻らなくなった理由も。


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