それでもシロは幸せだった。

二人の足元で丸くなりながら、波間に漂うような揺れを楽しんだ。

時折、二人のどちらかの爪先がシロの鼻先に当たるから、背中を向けて丸くなったり、
しっぽを踏まれてギャフンと言ったりしたけど、
シロはベッドから降りなかった。


ベッドが海になった次の日は、決まって二人はシロにも優しかった。

お休みで、二人そろって部屋にいることも多かったし。

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