闇に染まる少女
中学の冬休み辺りにお父さんの浮気が発覚し、離婚してからこうなってしまった。
…つまりはお父さんのせいで私が殴られている訳。
別に恨んではないけど。
階段を降りて1階に行くとまだ少し暗かった。
お母さんは朝はいつもいない。
仕事もしていない。
神崎家の先祖がアメリカの貴族だった。
…らしい。
制服に着替えて朝ごはんを2人分作り、一つは私が食べてもう一つにはラップをした。
髪を巻いてハーフアップにする。
化粧も1時間かけて濃くした。
私は…ギャルになっている。
家に帰ってくる時は化粧を落としてから帰ってくる。
お母さんに見られたら…―――うぅ…
学校の女子はほとんどがギャルだから化粧は濃くしないと逆に浮く。
お母さんに何も言わず家を出る。
外は7月中旬だが炎天下と言っていいほど暑かった。