秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
社長は私達を残して会議室に異動した。

「麻生さん、コーヒー淹れましょうか?」

「コーヒーよりもキスがしたい。香音」

「はぁ?」

永遠さんはパソコンのキーを叩きながらそう呟き、私の方に顔を向けた。

「嫌なの?」

「え、あ・・・」

永遠さんは二人っきりになった途端、切なさの中に甘さを湛えた瞳で見つめ、立ち上がり、私のデスクに身を寄せて来た。


「さっきまでは私を散々こき使ってたクセに・・・」

「仕方がないだろ?全ては二人のコトを隠す為の演技だ。それ位理解しろよ」

「…理解してるけど…寂しいと言うか・・・」

「寂しいなら…キスさせろ」

椅子から腰を上げて後ずさる私の手を掴んだ。


「でも・・・」

「社長は12時半まで会議だ。戻って来ない」

掴まれた手を離す気は毛頭ないけど、誰かが入って来たら永遠さんはこの状況をどう説明するだろう?


永遠さんはそのまま力で私を引き寄せて、空いた手を腰に滑らせる。
鼓動が高鳴り、カラダの奥が疼き始めた。

――――――私も永遠さんとキスしたい。



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