秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
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「どうぞ」
俺は副社長に温かい淹れたてのコーヒーを出した。

「あったまる・・・。凍死するかと思った・・・」

「大げさな」

「しかし、柾貴のヤツ…随分と慌てた様子だったな。あれは絶対にオンナだな・・・」

副社長は一人で頷きながらコーヒーを啜る。

「その女の顔は見たんですか?」

「見てねぇよ。だって中に全然入れてくれなかったし」

通すがりの柾貴を咄嗟に香音の彼氏に仕立てたのは悪いと思うが、俺は柾貴のコトを信用して。

「どんな女だろうなぁー後で、柾貴にLINEしよう」
副社長はコーヒーを全部飲み干した。


「どうした?永遠。やけに深刻な顔だな。さては、小池ちゃんと喧嘩した?」

「別に・・・」

「じゃおかわり」

副社長は俺に空のカップを渡した。


後3ヵ月弱、二人の仲を秘密にすれば、俺は円満退職出来る。そうすれば、晴れて香音にも素性を言えるし、堂々と付き合える。


社長には後ろめたいけど、香音は誰にも渡せない。

なのに、香音は・・・


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