秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
化粧品メーカーとあって、従業員の殆どが女性。

「麻生さん…貴方のコトがスキです」

入社当時から父親譲りの甘いマスクで女性社員にモテまくる。

「付き合って下さい」

「申し訳ない。今は仕事のコトしか考えれない」

同じ台詞をどれだけ繰り返したか、忘れる程だった。
「どうぞ」
俺は社長に朝のコーヒーをお出しする。
会社に1円の利益も出さない秘書業務。
日々の秘書の仕事は、社長の日程調整などの地味で単調な仕事ばかり、こんな仕事に遣り甲斐を見出して、三十年もこなす栗原さんには頭が下がった。
同期達が業界スキルを磨き、会社に利益を齎すのを社長の隣で見ているだけの不毛な自分に焦っていた。


「永遠君、入社して何年目だ?」

「あ…今年で3年目です。社長」

石の上にも3年。
俺は来年の3月には退職する予定。


「今年は君に後輩秘書の教育を任せてみよう」

「後輩秘書ですか・・・」



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