秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
後を振り返ると怖い表情のブラックな麻生さんが立っていた。

「今は昼休みですよ」

「だからって…大声で先輩である私の悪口を言う後輩を見逃せない」

「申し訳ありません」

「彼女はまだ半年目の新人だ。新人いびりするほど、秘書の仕事はヒマなのか?麻生」

「別に。私は新人いびりなどしていない。彼女は社長秘書。早く仕事に慣れ、私のように完璧に業務をこなしてもらいたいだけだ」

「ふうん。小池は俺のオンナだ。あんまり、度が過ぎると黙ってはいないぞ」

「へぇー小池が野島さんのね・・・」

野島先輩が矢面に立って、彼女の私を麻生さんから庇ってくれた。
鼓動は大きく跳ねて、嬉しさがこみ上げる。


「・・・」

麻生さんは押し黙り、トレイに乗ったBランチセットを持って窓際のテーブルに行ってしまった。

二人は同期だからこそ対等に物が言い合える仲なんだと思う。

私は後輩。
麻生さんと対等には言い合えない。野島先輩のような口の利き方をすれば、倍返しされて、始末書まで書かされそう。

「しかし、悔しいけど…麻生のヤツ人気あるんだよなぁー」

私には野島先輩が居るから麻生さんは恋愛対象外。
私は彼の怖さを毎日感じているけど、社内ではクールビューティで通る麻生さんは人気者。

「やっぱり、イケメンは性格が悪くても得だな。なんでも許される傾向にあるから」

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