秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
「戻りました」

私は社長室に戻り、椅子に座った。

「ご苦労だった」

私は麻生さんのデスクにカラダを向け、顔を近づけた。

「佐藤さんにも会いました」

「そうか・・・」

麻生さんは私の話を訊きながらもカタカタとキーを指先で叩く。


「佐藤は何て?」

「彼と自由行動の約束しました」

「そうか…それは良かったな」

麻生さんの声は抑揚が無く、冷たい響きを私の鼓膜に届かせた。

「彼、いい人ですよね」

「いいヤツだ」

彼の言葉は私の期待を裏切るばかり。


私を嫌う男が嫉妬するはずないのに、何を期待してるんだろう。


「麻生さん…この字の変換間違ってますよ」

「え、あ…俺、何やったんだよ?」

麻生さんは慌ててデリートして間違った字を訂正した。


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