秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
メニューは湯豆腐。この店は京都では有名な老舗の湯豆腐の専門店らしい。

「カラダの芯から温まりそうですね」

「でも、心までは温められないよ」

麻生さんはアツアツの湯豆腐をフーフーしながら口に運ぶ。
温かい豆腐を特製のつゆにねぎと生姜をたっぷり添えて食べる。
クリーミーな舌触りと濃厚に感じる大豆の味が美味しい。


「この湯葉の刺身も美味しいですね」

コース料理とは別にオーダーした湯葉の刺身も美味しかった。


「なぁ、小池」

「何ですか?麻生さん」

「俺達のコト、社長にはヒミツだから・・・」

「どうしてですか?」

「理由は訊かないでくれ。そうでなきゃ、俺はクビになる」

「・・・」

「俺と社長の間には独自のルールがあるんだ・・・」

私は常に二人のそばに居た。
社長は私には優しいけど、麻生さんに対して厳しい面ばかりが目立った。

「社長には申し訳有りませんが、麻生さんの願いです。二人の秘密にしましょう」

「ありがとう、小池」




< 86 / 230 >

この作品をシェア

pagetop