双竜のお姫様
□裏切り者
昼休みが終わって、教室に戻っていく。
教室の中は騒がしい。
―――ガラッ
教室の扉を開くとみんなの視線が私に集まる。
入るまではうるさかった人たちも、嘘みたいに静かになる。
「裏切者は消えろ。」
聞こえるような声で言ってくる。
私に手を出すことはできないから、みんなが言葉で私を責める。
それでも気にしない。
皆を守るために、自分を守るためにも。
机に座ると、いつものように本を開く。
集中すると声が聞こえなくなるから。
どんだけ我慢できても、苦しいのも悲しいのも変わりはないから。
でも、それ以上に私は彼らを傷つけすぎた。