双竜のお姫様
しばらくすると、一人の少年が入ってきた。
青龍の幹部の一人、水島樹。
可愛いルックスに反して、有無を言わせない攻撃的な性格。
身長は低めだけど、自分より縦も横も大きい人に勝るほどの喧嘩の強さ。
『乃彩、なにか飲み物を飲む?』
女の子たちには厳しい言葉遣いだけど、私には優しかった。
今となっては彼にとって、私は他の女の子と同じような存在になった。
いや、他の女の子より憎い存在になった。
「樹くん!」
樹が教室に入ったことによってクラスが活気づく。
それくらい青龍の幹部の存在は大きい。
青龍は全国でも有名なチームで、他のチームも一目置いている。