君と歩むから
「…私には子供を育てる資格なんてないのよ。…母親にはなれない」
「…それでもあんたは母親だ」
目線をテーブルに向け言った。
「育てることができなくても母親は母親だ。
俺たちは母さんから生まれてきたんだ。その瞬間から母親は母さんの1人だけだ。…違うか?」
どんな理由があろうとも、世界でたった1人の母親なんだよ。
「…あなたにその言葉貰えただけで報われるわ」
母さんは顔を覆い涙声で話した。
そして静かに涙を流した。
俺はそんな母さんを見つめていた。